七月大歌舞伎 松竹座 夜の部

今週は夜の部へ行ってまいりましたー。いやー、楽しかったです!

1、曽我物語岡本綺堂

 曽我兄弟が長男の小次郎に敵討ちの加勢を頼みに行くくだり。片岡我當丈に情のある演技をさせたら素晴らしいやろう、という思い出やってはるんやと思うけど、この部分だけの上演ではあまり感動しなかった。

 あと、片岡進之介丈の演技が……もうちょっとなんとか…。

 それから、上村吉太朗丈が出ていました! 今月出てたの知らなかったよ! ちゃんとセリフもあるお役で、それを見守る師匠我當さんの優しい眼差し。個人的見所はそれくらいですかね。

2、一条大蔵譚

 片岡仁左衛門丈、さすがの名演! 京のお公家の役のうまいこと!!

 この間、映画の「歌舞伎役者・片岡仁左衛門」で十三代目が若鮎の会の面々に苦労して大蔵卿を教えていたのを見たばかりだったので(くわしくはこちらのエントリ)私、今回は笑うべきところで笑いもせず、

「さすがニザ様はお父さんの言うたはった通りやってはるわー」

と謎の上から目線で見てしまったり、でも「いなしゃいませ」の言い方が先代とちょっとリズムが違った(気がした素人の私)りして、「やはり、独自の工夫もしてはるんやろなー」とかいった楽しみ方をしまして満足でした。

 上村吉弥丈演じる鳴瀬の健気さ、片岡孝太郎丈演じるお京の気丈さとかもすばらしく、感動しました。今月は女方の面々が芸達者ばかりで、本当に見ごたえがあります。

 あと! こちらにも吉太朗丈が刀持ちの役で登場! ずっと刀を掲げ持ってじっとしていて、しんどくないのかな? とすごく心配になるまるで母親の気持ち…

3、杜若艶色紫(かきつばたいろもえどぞめ)

 鶴屋南北狂言だそうで、なんか「ザ・江戸!」て感じの演目だったので、さっきまで上方どっぷりだった(役者的にも)から軽くカルチャーショックww

 中村福助丈演じるお六がすっごくて、悪女なんやけど、人間味もある、あらゆる意味で凄みのあるお役でした。

 局面ごとにお六は違った顔を見せるので、福助さんの芸達者ぶりが思う存分堪能できます。

 杜若尽くしの美しい遊郭の部屋からだんまり、最後の大掛かりな舞台装置まで存分に楽しめました!

 中村児太郎丈が美しく可愛らしく、これからが期待できる役者さんだと思います。