刀剣乱舞の影響で義経様にまた恋をしている私は、同じような人がいっぱいいるんではないかと、
義経主従が出てくる歌舞伎や文楽は需要があるんではないかと!!
思い立ちまして、まずは勧進帳を真面目にでなく、ちょっと浮かれた視点で語りたいと思います。
正当な見方とは程遠いので、見る人によっては不快かもしれません。ミーハーです。
安宅関に建つ、弁慶・富樫・義経の像
<演目紹介>
義経一行を捕まえるためだけに作られた臨時の関、「安宅関」。
偽山伏ではないかと言われて山伏問答をしたり、仏像勧進のための行脚であることを証明するために、ありもしない勧進帳をその場の即興で読んだりと、色々がんばる弁慶。
疑いが晴れ、関を通ろうとするも、強力に化けた義経に気付かれ、もはやこれまでと剣を抜きかける四天王を必死に押しとどめて、弁慶は「お前が義経に似ているからだ!」と主君である義経を咎め、打擲します。
彼らの正体に気付きながらも、弁慶の忠義の心に打たれ通す富樫。がんばる弁慶。そのがんばりを認め、ねぎらう素晴らしい主君・義経。というこのかっこいい3人の男を愛でられる演目です。
この演目はなんと言っても弁慶!!! 弁慶役者が良いか悪いかで全てが決まると言っても過言ではない!
乱暴者のイメージの強い弁慶ですが、この演目ではかなり理性的。
山伏問答も勧進帳を読むシーンも冷静に切り抜けます。
そしてなにより、義経主従クラスタとしてのクライマックスが義経の正体がバレかける(ていうかバレる)シーン!!
もはやこれまでと剣を抜きかける四天王を必死にとどめ、ついには義経を折檻することで疑いを晴らそうとする弁慶。ここの緊張感は!!! ハンパない!!!(いい役者だと)
立派な死を求め剣を抜きかける四天王をとどめるのも、主君に手を上げるのも全て、義経を生きて落ち延びさせたいという一心から。弁慶……!!
そして、色々あって(めっちゃはしょりましたが本当はこの辺も見所)無事関を抜けられた義経主従。
弁慶は義経への非礼の数々を涙ながらに詫びます。弁慶……!!
しかし義経さまは怒りません。だって弁慶の行動はすべて忠義からだもの。
「判官御手を取り給い」からはじまる主従の深い絆は涙なしには観れないですね。義経主従クラスタ的には。
また富樫が出てきたりして色々あって(ここも本当は見所)、義経たちを先に逃がした弁慶は、急いで追いかけるのでした。(これが有名な飛び六方のシーン)
いろんな人が勧進帳をしているのですが、最近(?)みた中で一番感動したのが、安宅関跡に建つ「勧進帳ものがたり館」で観られる、こまつ芸術劇場うららのこけら落とし公演の勧進帳(弁慶:團十郎、富樫:三津五郎、義経:芝雀)のダイジェスト映像。
安宅関のある小松市の公演ということもあってか、非常に気合の入った弁慶で、本当によかった。
歌舞伎で使う衣装なども展示されているので、行ってみてもいいかも。
勧進帳は文楽にも「鳴響安宅新関」というタイトルで輸入されていますし、別脚本で「御摂勧進帳」という歌舞伎もあります。この間、菊之助と松緑で観ましたが、富樫の苦悩があんまりかかれていなかったりとライトタッチなんだけど、主従の絆はちゃんとかかれていて、弁慶が暴れるシーンもあって、結構楽しかったですのでこれらも是非。
これは義経主従中心の紹介なので、まじめにちゃんと勧進帳を知りたくなった方は文化デジタルライブラリーにめっちゃ気合の入った勧進帳ページがあるのでみてください。そしてぜひ劇場へ!
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/exp5/index.html