カイメイ小説!!

久しぶりにボカロ小説をのっけます!! こちらもリクにお答えした分で、私にはめずらしく「カイメイ」小説なのです!!

親衛隊の私としては鬼門のような、むしろktkr! なような、ともかく難産でした。よってキレはないと思うよ。ごめんね。

では、カイメイOKな方は続きを読むからどうぞw

 メイコが家に帰ると、リビングから

「きゃー! お兄ちゃんやめて~!」

というミクの悲鳴が聞こえてきた。

 ……なにごと? 

 まさかとは思うが、カイトがミクに……。

 いや、いくらカイトはヘタレだとは言え、ありえなくはない。なにせミクはあんなにかわいいから。

「あんたたち! なにやってんの!!」

 ミクの危機を救うべく乗り込んだリビングには、

得意げにポーズを決める裸マフラーのカイトと、

その写真をバシャバシャ携帯で撮るリン、

そして顔を覆った指の間からカイトを覗き見るミクの姿があった。

「な…なにやってんの?」

 さっきとは違う低いテンションでメイコは尋ねた。

「新曲をみんなに披露していたんだよ!」

 マフラーをひるがえして自慢げに言う弟を見ていると、メイコはやりきれなさでいっぱいになった。

「いやー、お兄ちゃん、今回もトバしてるねー」

 リンが心底感心したように言った。

「どうかな? ミク! お兄ちゃんの新曲! 人気出るかな?」

「う、うん、そうだね…。曲自体は、すごくいいよね、曲自体は…」

 ミクは必死にカイトから視線を逸らしながらそう答えた。

「レン! レンはどう思う!!?」

 3人とは離れたところでじっとしていたレンにカイトは問いかけた。

「……カイトは死ねばいいと思う」

「な……!!」

 大げさに仰け反るカイトをみて、レンは心底うっとうしそうに顔をゆがめた。

「レン君どうしたの? 反抗期? こういった場合正しい兄の対応は怒る? スルー? めーちゃん、どうしよう!!?」

「ホントまじうぜえこいつ」

 レンは頬杖をついたまま器用にしゃべった。

「はいはい、もう分かったから。カイトはいい加減服着なさい! レンも! たしかにカイトうざいけど、あんまりそういうこと言わないの!」

「めーちゃん、ヒドイ…」

 カイトはそういいながらも服を着始めた。

「もう、遅い時間なんだから、未成年たちは寝なさい!」

「え~~? 今からローアングルから攻めようと思ってたのに…」

 デジカメを握りしめて、リンが不平を漏らす。

「はいはい、みんなもう寝ようねー」

 ミクがお姉ちゃんぶりを発揮して、カガミネーズを部屋へ連れて行った。

 急に静かになった部屋で、カイトは冷蔵庫からアイスを取り出すと、ふわあっと、大きな溜息をついた。

 メイコはカイトの隣のソファに座った。

「全く…なんで家でまでサービスして疲れきってるのよ、アンタは」

 あはは、と笑いながらカイトはアイスを頬張った。

「いやあ、リンが喜ぶから…」

「だからって、ふつうそこまでやる?」

「めーちゃん、心配してくれるんだ、俺のこと」

「まあね、出来の悪い弟のことはいつだって心配だよ」

「ふん、そう…」

 なぜかカイトは少し不服そうに言った。

「でも、ちょっと落ち込んだなー。レン君にうざいって言われちゃったよ」

「まあ、思春期の男の子にとって、こういう兄はうっとうしいでしょうね」

「めーちゃん、容赦ないなあ」

 またカイトはあはは、と笑った。するとメイコはずいっとカイトに顔を近づけて、彼の目を覗き込んだ。

「な、なに? ど、どうしたの、めーちゃん」

「あんた、無理して笑わなくたっていいのよ」

「え?」

「最近あんた、つらそうだから。お兄ちゃんしたいならあの子らの前で強がってもいいけど、私の前でまで強がらなくていいでしょ?」

 カイトはしばらく黙ったままでいたが、

「ありがとう」

そう言ってまた笑った。

「でも別に強がってるわけじゃないよ。だって俺はめーちゃんと一緒にいるだけでとっても楽しいもの」

「あ、そう」

 メイコは冷たくそう返した。

「ホントだよ! めーちゃん信じてないね!!?」

「ともかく!」

 メイコはカイトの言葉を無理やりさえぎると

「まあ、私はあんたが頑張ってんの知ってるから。気にすることないわよ、何があったか知らないけど」

「めーちゃん……なんか、俺に頼みごとあるの?」

「……は?」

「だって…めーちゃんが俺をなぐさめるなんて…なんかあるとしか思えない! むしろ怖い!!」

 カイトは怖い怖いと騒ぎながら……とてもうれしそうに見えた。

「まあ、相談くらいならいつでものってあげるから」

「ぎゃああ!! ホントにこわい!! めーちゃん俺になにさせようとしてるのっ!!」

 言葉とは裏腹に、カイトのテンションはアガりにあがり、どんどん声が大きくなっていった。

「カイトうるせえ!! 寝れねえだろ、氏ね!!」

 遠くからレンの怒鳴り声が聞こえて、すぐにまたカイトは落ち込んだ。

 メイコは、なんだかめんどくさくなったので、

「カイト、熱燗作って!!」

もう慰めずに晩酌をはじめることにした。