「新作歌舞伎 刀剣乱舞」追加発表俳優のご紹介!!

 「新作歌舞伎 刀剣乱舞」の主な配役が発表になりました!

 ちょっと時間が空いてしまったのですが、追加で発表になった役者さんについてご紹介させていただきたいと思います。

 

上村吉太朗(かみむらきちたろう)【美吉屋(みよしや)】
 岸和田の一般家庭出身。何度か子役として舞台に立ったのち、片岡我當の部屋子として上村吉弥の門下に入りました。
 美吉屋上方歌舞伎(京大坂で発展してきた歌舞伎、⇔江戸歌舞伎)のお家なので、吉太朗さんは主に関西の劇場で活躍中です。子役時代からあまりに演技がうまく、関西の歌舞伎ファンの間ではめちゃくちゃ有名でした。今まであまり東京の劇場で大きな役をやる機会がなかったのですが、現在公演中の「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ」では、リュック役に抜擢されました! さらに「刀剣乱舞」でも膝丸という人気の役を得て、今「来てる」役者だと思います。立役、女方ともにこなしますが、個人的には吉太朗さんの立役の力強さが好きです。膝丸でもそういうところが生かされるといいな……。莟玉さんの品よく、美しくたおやかな髭切に、勇猛な膝丸。最高じゃないですか???(これは私の妄想なので、どういう源氏兄弟になるかは分かりませんが……)
 舞踊が上手すぎる役者。去年には「咲くやこの花賞」という大阪文化を担う若手文化人に贈られる賞を受賞。期待の若手です。どんどん話題にして、刀らぶファンの力でスターダムに押し上げてほしい……!(美吉屋贔屓としての私欲)

河合雪之丞(かわいゆきのじょう)【白兎屋(しらとや)】
 もともとは三代目市川猿之助(現・市川猿翁)の元で修行していた歌舞伎役者でした(旧芸名・市川春猿)。が、2017年に劇団新派(歌舞伎とは異なる新たな現代劇として明治時代に起こった演劇「新派」の劇団)に入団、名を河合雪之丞と改めました。
 歌舞伎役者時代には「ワンピース歌舞伎」でナミ役を演じるなど、一般家庭出身のいわゆる「お弟子さん」でありながら大役もこなす実力派でした。さらなる活躍を期待されていたのですが、師匠の猿翁さんがご病気で第一線から退かれたこともあり、思い切って新派へ入団を決意されたようです(猿翁さんとの関係が切れたわけではなく、円満での劇団移動です)。新派入団後も「滝の白糸」で主役を演じるなど、活躍を続けています。
 女方の役者さんで、立役もやったことがあるかもしれませんが私は拝見したことがありません。小烏丸はなんというか、あまり性別を感じない刀剣男士なので、ぴったりなんじゃないかと思います。

中村歌女之丞(なかむらかめのじょう)【成駒屋(なりこまや)】
 六代目中村歌右衛門中村梅玉の養父)の弟子。お弟子さんなので、脇を演じることが多い女方さんです。私はこの方の女房役が非常に好きで、相手役の役者さんに合わせて、時に重厚に、時にコミカルに演じ分け、舞台全体の説得力を格段に上げてくれる、素晴らしい役者さんです。

大谷桂三(おおたにけいぞう)【十字屋(じゅうじや)】
 二代目尾上松緑十四代守田勘弥という名優のもとで修業を積んだあと独立した、立役の役者さんです。いわゆる名バイプレーヤーとも言うべき存在で、血気盛んな武士から老け役まで、あらゆる役を的確に、抑えた演技で主役を引き立てます。尾上松也の叔父。

 

出演 及び 立師 の俳優
 公式ホームページにまだ配役が載っていませんが、ご本人のTwitterにて「新作歌舞伎 刀剣乱舞」への出演、および立師としての参加を公表された役者さんお二人を紹介します。立師とは、歌舞伎独特の殺陣である「立廻り」の動きをつける人のこと。立廻りは音楽に合わせて様式的な動きで行われ、舞踊的要素もあるため、実力あるいわゆる「お弟子さん」の俳優が立師となり、作品にそぐう立廻りを考案します。

澤村國矢(さわむらくにや)【紀伊国屋(きのくにや)】
 澤村藤十郎の弟子。尾上松也の自主公演『挑む』シリーズで数々の大きな役をこなした後、初音ミク出演の『超歌舞伎』の敵役で役者としての大きさを見せつけ、一気に知名度が上がった実力派俳優。押し出しのいい、立派な姿も魅力の役者さんです。今回は立師の仕事もあるのでメインの役柄ではないと思いますが、ぜひ注目いただきたい役者。

中村獅一(なかむらしいち)【萬屋よろずや)】
 中村獅童の弟子。本公演ではそれほど目立った役をやったことはありませんが、『超歌舞伎』での立師の仕事や、『超歌舞伎』リミテッドバージョンでの敵役の演技などで超歌舞伎ファンにはおなじみの役者さんです。変則的な超歌舞伎の立廻りをうまくさばき、まだ若いにもかかわらず、驚くほど品のある演技を見せつけるなど、注目の若手役者です。

 

 

 

 すみません。大谷龍生さんだけ、わたくし一度も拝見したことがなく、項目を作れませんでした。龍生さんの演技も楽しみに7月を待ちたいと思います。

 

前回のエントリ

tsubana.hatenablog.com