少女マンガの王子キャラはなぜ金髪なのか?-おたくレイシズム論・きっかけとして-

 私がアニメやマンガを好きになったのは比較的遅く(高校生ぐらい?)、その頃このカルチャーには色々思うところはあったのですが、特に少女マンガがあまり好きではなかったです。(今は違うということを先にとりあえず言っておきますが!)

その理由が、まあ端的にいえば多くの王子キャラが金髪であることでした。

もちろん、オタ的な理由としてそれは私が黒髪フェチだから! というのももちろんあるのですが、それ以上に少女マンガ(とひと言で言ってはいけないのですが多くの人がイメージするようないわゆる典型的なもの)の現実離れしたキラキラしい登場人物がちょっと苦手だった。

 もう一歩踏み込んで言いますと、少女マンガの登場人物は現実離れしてはいるのですが、同時に人類としてはありうる髪の色・瞳の色が多いのです。

 金・茶・黒髪が多く、ピンク・赤・青などは少ない。

 もし、金髪と同じくらいの頻度でピンク髪の女の子とかが登場すれば、それは「そういうファンタジー」で片付くのですが、この微妙に「ありえる感」にこそ違和感を感じていました。

 昔テレビで外国人がなぜ少女マンガには白人しか出てこないのか? と言っていたのを見たことがあります。確かに登場人物の外見は、少女マンガの場合特に、かなり白人の特徴に酷似していることが多いと思います。

 なぜ王子キャラは金髪なのか。 とツイッターでつぶやいたときに、友達がそれは「人は自分にないものを求めるから」だと答えてくれました。なるほど。それはあります。

 しかしではなぜ黒い肌ではなく白い肌なのか(トーン貼るのめんどいとかいう現実的な問題もあるけれど)。女性向けファンタジーは和風orヨーロッパ風が多いのか。

 そこにはやはり、日本人に根深く残る白人文化コンプレックスがあると思います。

 そしてそれが特に少女マンガに色濃く出るのは「レディファースト」というヨーロッパ的(だと日本人が思っている)文化のせいかもしれません。

 しかし、ここに至ってわたしは思うのです。

 コンプレックスというのは差別とは似て非なるもの。日本人には人種差別感よりも人種コンプレックスが強く残っているように思う。

 他人種を差別するのではなく、他人種(特に白人)が自分より優れている(という思い込み)を強く感じます。

 しかし、差別というのは結局コンプレックスの裏返しなので、コンプレックスだからよいというわけではないと思います。

 しかし、そのコンプレックスを一方方向にだけ向けるのではなく、たくさんの方向に向ければ、それは「全ての人種にはそれぞれ優れた点がある」という差異を認めた上での真の相互理解が図れるような気がします。

 突然話は変わりますが、私が若い頃、顔グロっていうのが流行りました。大人たちはだいぶバカにしておりましたが、私は彼女らのファッションを見て感銘を受けたものです。

 黒人にリスペクトを示し、音楽やファッションを真似つつも、抜けきらない金髪ストレート願望。全ての人種の特徴をその身に宿したヤマンバメイクの彼女らの姿に、私は平和な未来への希望を見たものです(といいつつ自分はやらなかったわけですが)。これは日本でしか生まれ得ない、すばらしい文化だ! 世界に発信すべきだ! と思いました。

 さて、今の少女マンガ。ひと時に比べて多様な作品があります。前述のようなきらきらしい登場人物の出てこない作品も多いのが昨今の少女マンガ界。

 しかし、かつて私が顔グロに受けたような種類の衝撃をもたらしてくれる作品には、最近出会っていません。

 

 しかしきっとそろそろまた、少女マンガ界にもエポックメイキングな作品が現れてくるに違いないと思っています。

気が乗れば、またレイシズム論やりたいなーと思いますが今日はこの辺で。